神社幕 88年ぶりの新調【京都府】~お家の歴史が繋がりました~

神社幕を納めさせて頂きました。

こちらが先代の幕。昭和8年作ですので88年ぶりの新調です。

昭和初期の頃の幕とはいえ、古さは感じさせるものの、しっかりとした作りの幕でした。上の写真と比べましても遜色ありません。

昭和8年といいますと、先の戦争も乗り越えてきた幕なんですね。

相当いい状態で保存されていたのでしょう、まだまだ使えそうでした。

幕は左側に奉納者名を、右側に年号を入れられます。

前回の幕はすべて女性からの奉納。お客様に聞きましたところ、

「ここの神様、願い事をよう聞いてくれはる(よく聞いてくださる の京都弁)ので、今回奉納することにしました」

「前回は曾祖母(ひいおばあちゃん)と祖母の姉妹の、親族の女性だけでの奉納でしたんで、今回も、お願いをよう聞いてもらえるよう、私と母と、母の姉妹だけで、今回も女だけで奉納します」とのことでした。

お話を聞きますと、病気が治ったり、〇〇が叶ったりと、「願い事を‟よう聞いてくれはる”神様」のようでして、今回の新調・奉納に際しましても親族の女性に声をかけられたところ、皆さんご快諾だったそうです。

↓令和の幕の奉納者の皆さん。昭和初期の幕からみますと3世代下の方々です。こうやって繋がる歴史もあるのですね。


幕のチチ部分にも特徴がありました。「●」「●」の文字が入っています。88年前の方も繁栄や安全を祈っておられたのでしょう。


お客様とお話しさせていただきますと、こうした色んなエピソードをお聞きできるのが楽しいですね。こういったお話の中から「この幕の歴史的な背景」「施主さまのストーリー」「うら話」「こぼれ話」「そのお家が大切にされていること」など、商品知識以外のことを勉強させていただけます。そしてその経験やノウハウを未来のお客様に繋げられます。

この幕も今後100年ほど使われるといいですね。喜びの幕となりますように。

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